蘇州市は上海のお隣の市で、上海からおよそ90km、高速鉄道で約30分の距離にあります。市内には歴史的建造物や文化施設がたくさんありますが、中でも古城壁と城門は見ごたえがあります。このページでは筆者が訪れた蘇州の城門を6つご紹介します!
平門
蘇州の城壁には8つの城門がありますが、蘇州駅の南広場から見えるのが平門(píng mén)です。お堀越しに見える姿は壮観です!高鉄で蘇州に着いたらまずはこの景色を見たいですね!

蘇州の古城壁は春秋時代(紀元前6世紀頃)に建設された闔閭城を起源として、その頃は土を突き固めた土壁の城壁だったそうです。その後、秦の始皇帝の時代(紀元前3世紀)に破壊され、漢代に再建、10世紀頃には城壁にレンガが使われるようになりました。13世紀に元の侵攻により城壁が破壊され、14世紀にまた再建されました。現存する城壁のうち、最も古い盤門と胥門は元代末のものが残り、その他の大部分は清代以降に建築されたそうです。
胥門
胥門(xū mén)は市内を囲む城壁の西側、やや南寄りに位置する城門です。最寄り駅の地下鉄三元坊駅から歩いて15分ほどのところです。

城壁は石積の土台の上に青レンガ(青砖)という構造になっていますね。石積の部分(花崗岩かな?)の風化具合に歴史を感じます。角の取れた石積を見ると、何百年という間ここで蘇州の歴史を見てきたのだなあと胸が打たれる感じがします。
ここには春秋戦国時代の呉王闔閭の側近である伍子胥の像があります。現在まで残るこの蘇州の城壁の起源となる闔閭城を築いた人物です。


のちに伍子胥は闔閭の息子との関係が悪くなり自殺に追い込まれます。胥門の名は、この城門に伍子胥の首がかけられたことに由来するのだそうです。
胥门と周辺の公園は観覧無料です。胥門から盤門まで城壁に沿って遊歩道を歩きました。


堀を行く屋形船などを見ながらのんびりお散歩です。30分ほど歩くと盤門の南門に到着します。

盤門
南門の外側の呉門橋(吴门桥)から見た盤門です。

盤門(盘门pán mén)景区は有料区間なのでチケットを購入して入場します。

城門の周囲を囲って門を防衛する「甕城(瓮城)」を通り抜け城壁の上を歩きます!

城壁の高さは5mだそうですが、実際はずっと高く感じます。

盤門景区東門にある瑞光塔は6元で登れます。

盤門景区(盘门景区)
入園料:40元 / 瑞光塔:6元
開館時間:8:30-21:30(入場停止20:30)
予約:Trip.com・大众点评・携程旅行
阊門
阊門(chāng mén)は蘇州城壁の北西部にあり、最寄り駅は石炉駅ですが、山塘街駅から歩いて行くのがおすすめです。こちらも城壁の上へ登れます。夜のライトアップがきれいです!

市内を見下ろす眺めがいいですね。


中華民国時代に阊門城楼と甕城が取り壊されその後また再建されたということです。
北碼頭の歩道沿いに古い石積みの基礎がひっそりとありました。いつの時代のものかは不明ですが、奥のレンガの風化具合から見てかなり古そうです。破壊と再建を繰り返してきた城壁と城門の歴史の一端が垣間見えます。

阊門の北側、北碼頭(北码头)は明清時代には物流の拠点だったそうです。北碼頭から歩いてすぐの山塘街では水郷の風景が楽しめます。

相門

相門(xiāng mén)は市内城壁の東部に位置する城門で、最寄り駅の地下鉄相門駅から徒歩5分ほどの位置にあります。

こちらから城壁に登れます。

外城河を見下ろす眺めもいいです!城壁の上の城楼の周りにはライトアップ機材がいっぱい並んでいます。夜のライトアップに力を入れ過ぎてて昼の風景がちょっと残念なことに。

この城門のすぐ下には城壁博物館(城墙博物館)があるのですが、筆者が訪れたのは月曜日だったためあいにく休館日でした。

すぐ隣にはレトロな街並みで観光スポットになっている平江路があります。

城壁のすぐ近くではカヌーがずらっと並んでいました。後で調べてみると、お堀でカヌー体験ができるようです。ちょっと気になるので今度行く機会があればぜひ試してみたいです!

蛇門
蛇門(蛇门)はお堀の南東端にある桂花公園の中にあります。城門自体の姿はお堀の対岸からでないと見えないので城壁の足元からの写真しかありません。

蛇門は相門や阊門と違い、大きな商業施設などから離れているからか、人が少なく地元の人がのんびり散歩する場所といった感じでした。

ライトアップ機材などもないので、女墙(城壁の上の凸凹)からの風景もすっきりしています(笑)。

蛇門のある桂花公園の中には、呉王闔閭と孫武(『孫子』の作者)の歴史の一場面や、伝統芸能の昆曲についてなど、蘇州の歴史文化をレリーフにした展示もありました。

まとめ
以上が蘇州の城門の紹介になります。個人的に筆者の一番のおすすめは胥門と盤門景区です。上海から30分で行ける蘇州なので、何度かに分けて城壁巡りの日帰りトリップをするのも楽しいですよ。ご興味があればぜひ行ってみてください!